千葉県公安委員会 第44170075号

探偵社ブログ

終わらない姉妹の確執。

美人でちやほやされて自信満々だった姉と比較され続けた妹は、今…?

 

 

きょうだいは他人の始まりという。
それでも一般的には、大人になれば「きょうだいなんだから、いろいろと許し合えるもの」と思われがちだ。
ところが、そうはいかないケースも多々ある。むしろきょうだいだからこそ、他人同士と違ってこじれると始末に負えなくなるのだ。

 

子どもの頃から仲が悪かった

「姉とは小さいころから仲が悪かったんです。親は姉ばかりかわいがっていました。
私は勉強も運動も姉にはかなわなかったし、担任の先生にまで『似てないねえ。おねえさんは美人だったのに』と言われた。
姉はみんなにちやほやされるから、自信満々の嫌なタイプでした(笑)」

2歳年上の姉をそんなふうに言うのは、ユミコさん(37歳)だ。
姉に嫉妬していたのは事実だが、実際に姉に嫌がらせされたことも多かった。

「親戚から『ユミコちゃんとふたりで分けてね』と言われたお年玉、一度も分けてもらったことがないし、食べ物も譲ってくれたことがありません。
それどころか、中学時代にはよその中学の不良グループに私をいじめるよう指示をしていたんです。
私はそのときしばらく学校に通えなくなった。

高校に入ってから同じクラスになった別の中学の子に、『あのいじめは、あんたの姉さんにやれって言われた』と聞かされました」

姉に詰め寄ると、「うるさいなあ、あんたが何もできない鈍くさい子だからいじめられたんでしょ」と取り付く島もなかった。
母に訴えたが、「何を今さら」とスルーされた。

「ただいじめられたならまだしも、姉の指図だったとは・・・・・
姉はストレートで有名大学に合格した。
私の進路は両親も姉も興味がなかったみたいで、なんとか高校を卒業したしたが、。」

専門学校に行くからとお金を出してもらい、そのお金をもって家出した。
あとはふらふらといろいろな男性の家に泊まったりしながら絶望と隣り合わせで生きてきた。

「20歳のときだったかな、スナックで働いていたらすごくまっとうな男性に出会いました。
説教するわけでもなく、淡々と私を愛してくれた。過去を話しても受け止めてくれる。
結婚しようと言われて22歳で結婚しました。親との関係も『修復する気があるなら、僕も努力する』と言ってくれて」

ユミコさんの人生はガラッと変わった。

 

歩み寄ったのに、姉は?

ユミコさんはその後、女の子ふたりに恵まれた。ときには夫婦げんかもしたが、夫はいつも真摯に向き合ってくれた。
ふたりの女の子は可愛くてたまらなかった。

「勉強ができようができまいが関係なく、どちらもかわいい。
ふたりが元気でいてさえくれればいい。そう思ったとき、どうして私の親は姉をえこひいきしたのかわからなかった」

 

幸せになって心に余裕ができた。

7年前、10数年ぶりにユミコさんは両親に連絡をとった。

「親も思うところがあったんでしょうか。
子どもたちを連れて来なさいと言ってくれて。一家で出かけました。

実家には姉もいました。姉は大学院まで出て研究室に残ったものの、人間関係がうまくいかずに脱落、その後、就職して結婚したけどこれまたうまくいかずに離婚し、ひとり息子を連れて実家に戻ったばかりだということでした。

大変だったねと私が言ったら、姉が『いい気味だと思ってるでしょ』って。
この人は変わってないと思った。両親も姉には少々困っているという感じでしたね」

親とはその後、連絡をとりあうようになったが、姉は何かを恐れているのか、ときどき嫌がらせの電話をかけてくる。

「遺産はあんたにはいかないからね、とか。でも母親はよく愚痴っていましたね。
『今日もおねえちゃんが荒れている』って。最初は駆けつけたりしていましたが、そのうち嫌気がさしてきました。
私だって家事に育児、パートで仕事もしているし暇じゃない」

2年前、父が急逝し、母が頼るようになってきた。姉は怒って、母の携帯を取り上げた。
母は姉を「泥棒だ」と警察に突き出したこともあるらしい。

「夫は放っておくわけにもいかないでしょと言ってくれるけど、私は関わりたくない。
今さら母に愛を求める気もありません。母には『ふたりでうまくやって。私は何もできないから』と言ってあります。

姉は『あんたは昔からバカだから』といまだに言うんですよ。もう笑うしかない状態ですが、人って変わらないなと思う半面、大人になっても変われない姉がかわいそうだとも思うようになりました」

ユミコさんは夫に出会って人生が変わった。だがもしかしたら、夫に出会わなくても自分で人生を切り開くことができたのではないか。一方、ちやほやされて育った姉は自らの生きる力を封印されてしまったのかもしれない。

「寂しいけど、姉は最初からいなかった、私には家族がいなかったと思うしかありません。夫と子どもたちだけが私の家族です」

親やきょうだいを否定するのはつらいことだろうが、ユミコさんの言葉に迷いはないようだ。

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